4月中頃

春の海の幸




4月はお仕事のため半分位を福山で過ごす。
お母が鞆の沖にある走島と言う島へ桜を見に行ったお土産にと、鯛とサヨリの生き作りやら柔らかくて小さなイカやらサザエやらを貰って帰る。この季節の鯛の身は桜色、もちもちして最高級。また他では魚が食べられなくなってしまう。イカは内蔵も墨も一緒に煮込みパスタに。このイカはほとんど市場に出回ることがないらしく、身はやけに柔らかい。歯の悪い人には喜ばれるんだとか。なんぼでも採れるんだって。

ちょっと時間が出来るとすぐにリリーと芦田川へ。ボールをみつけ走り回る。

上京した頃、どっちを向いても山が見えない東京を嘆いていたんだが、今福山へ帰ってみるとどっちを向いても街にほとんど樹が植えられていないことを嘆く。影がない街、アッパラパーで覆われていない感が落ち着かず、行動が雑になってしまいそうなのだ。樹が必要だということはそこにできる影が必要なのだということを思う。

福山市よ、宮通りの街路樹を切らんでくれよ。




4月3日(月)

今年の花見



一週間東京を空けて帰ってみると桜はもう既に満開を過ぎ、散り始めているではないか。まさに春が始まるその瞬間を見逃したみたいで残念。こないだまで腕におさまる子犬だったリリーが、夏に会ったときにはもうこちらが倒されそうなほど大きくなったのを少し寂しく思うようなそんな気持ちと似ているだろうか。

毎年楽しみな駒場公園での花見も今日は雨の中独り占め。冷たい雨は嫌だけれど、それはそれで何か別の美しいものが見えてくる。

今年も心配することなく、桜は奇麗に咲いた。



(c)shuya.ao 2001.06〜