5月28日(水)

私はクレーパー



里帰りしていた妻と娘がしばらく寂しい一人暮らしをしていた夫のところへ戻って来て、家族3人暮らしが始まったところです。一人暮らしの間も、家族3人になってからも朝はクレープを焼いています。バナナは何にでもあうのであったほうがいいでしょう。最近のお気に入りは小豆をのせること、メープルシロップをかけること。

先週末福山に帰った。駅前の福山城壁の石積み発掘現場の工事がかなり進み、立派な石積みが見えて来ていた。わが街にもこんな歴史が埋もれていたのかと興奮し、写真を撮り、想像してみた。
福山城はこの発掘現場と線路を挟んで反対側にあるので、駅はちょうど城の敷地を横切って建てられたことになる。なのでこの城壁の石積みを残し、今の城とを繋げてしまえば駅は城の敷地内に位置することになる。周りの汚い建物を隠すくらいの大きな樹を植え、福山自慢の花でもあるバラを植え、水を張り、駅前公園をつくり、駅裏の福山城と繋げてしまえばここが大きな公園となり、その公園の中に駅が建っているという見事な風景ができあがる。殺風景で暴力的な駅前が広がる日本の中で、同じように殺風景で暴力的で夏は焦げるほど暑いアスファルトの福山駅前が日本一の駅公園に生まれ変われるチャンスなのだ。皇居と東京駅の関係より、福山城と福山駅の関係の方が良くなる可能性だってある。のに、福山市はこの埋もれた城壁なんて無視し、内緒にし、ここに地下送迎場をつくってしまおう今にもしていたのだ。福山市は鞆の浦にも橋を架けたくうずうずしていて、建築学会、考古学協会、イコモスまでもが鞆の浦はそこに住んでる人たちだけのものではなく、まして福山市のものではなく、日本の世界の遺産なのですよ、みなさんも世界遺産を見るためにいろんな国へ行くでしょう、見に行くだけではなく、自分たちの場所も守って下さいね、と反対しているにもかかわらず。
福山へは帰る度ににょきにょき建ち上がる安普請マンションや、つんつるてんに切られてしまった街路樹に泣かされてばかりだったが、この城壁の石積み跡には興奮した。感動した。わが街にも自慢の歴史があるじゃんか。

わが子のためにも歴史は残さんといけんのんですよ。



(c)shuya.ao 2001.06〜